仮想通貨の中でもビットコインに続いて時価総額が高いイーサリアムというアルトコイン(ビットコイン以外のコイン)があります。
時価総額もビットコインに続く2位となっており、ビットコインの他にイーサリアムに投資している方も多く見られます。
しかしイーサリアムとは一体何なのか聞かれると、ほとんどの方がイーサリアムの仕組みを理解していないと思われます。
時価総額が高い事や周りがイーサリアムに投資しているから自分も・・と投資している方が多い事でしょう。
こちらの記事ではイーサリアムとは一体何なのか、そしてビットコインとの違いは何なのか、など初心者向けに分かりやすく解説していきます。
- イーサリアムとは一体何なのか
- イーサリアムとビットコインの違い
- イーサリアムのデメリットとは
- イーサリアム2.0とは
イーサリアムとは分散型アプリケーションの事で、大きなプラットフォーム(基盤)である
まずはじめにイーサリアムとは分散型アプリケーションの事で、大きなプラットフォームとなっております。
どういう事かというと、イーサリアムという大きなプラットフォーム(基盤)があり、その上にたくさんのアプリをつくれるようになっています。
例えるなら私たちが使うスマートフォンはiosかAndroidに分かれますが、アプリをインストールする時はiosかAndroidからインストールします。
アプリはそれぞれiosやAndroid用につくられるのと一緒で、イーサリアムもイーサリアムというプラットフォーム(基盤)上にたくさんのアプリをつくる事ができます。
アプリでは現在は主に金融系のアプリが多く、ゲームやカジノなどといったアプリも増えています。
またビットコインと同様、送金や決済といった取引も可能です。
イーサリアムもビットコインと同様ブロックチェーンで管理されている
またイーサリアムを管理しているブロックチェーンにシステムを書き込む事によってアプリをつくる事ができます。
ビットコインがデータの改ざんや不正が絶対的にできないのはブロックチェーンという仕組みで管理されているからです。
そしてビットコインのブロックチェーンという仕組みをもとに開発されたのがイーサリアムでした。
そのためイーサリアムもブロックチェーンという仕組みで管理され、データの改ざんや不正ができないようになっています。
例えばデジタル通貨のコピーはもちろんの事、ゲームアプリの中で使用されているレアアイテムなども不正にコピーができないようになっている。ブロックチェーンに記録したものは書き換えが絶対できないため、世界で1つだけのレアアイテムをつくったり、そのアイテムに価値をつけ売却などもできる。
イーサリアム最大の特徴は中央に管理者(第三者)を置かない事
イーサリアムの特徴は中央に管理者を置く中央集権ではなく、中央に管理者を置かない非中央集権となっているのが一番の特徴です
そしてアプリが中央で管理されない事からイーサリアムは分散型アプリケーションとよばれています。
どういう事かというと、例えば私たちが何かアプリを利用する際にグーグルのアカウントやFacebookでログインする事があるかと思います。
アプリを利用するには一旦個人情報を預けないと利用できないものも多く、あくまでアカウントの所有権は中央で管理しているアプリ側(企業側)となります。
そのため突然アカウントが削除されてしまう・・なんて可能性もあったりするわけですが、イーサリアムでは中央で管理する第三者を必要としない仕組みになっています。
イーサリアム上では所有権は自分にある状態で利用する事ができ、個人情報を入れてログインする必要などもありません。
そこでイーサリアム上にある第三者を介さない金融系のアプリケーションをいくつか紹介します。
- DEX(分散型取引所)…個人間同士で直接取引ができるアプリ(現在のように仲介する取引所をはさまない)
- イールド・ファンミング…貸し出しを目的とした仮想通貨のアプリに自分の仮想通貨を預けて利回りを得る事ができるアプリ
- レンディング…自分の仮想通貨を直接貸し出しをして利子を得る事ができるアプリ
- ラップド・ビットコイン…ビットコインを預けてビットコインをイーサリアム上でも使えるようにするアプリ
これらの第三者を介せずに個人間で取引ができる事を分散型金融(DeFi)といって、近頃一気に注目されている仕組みだよ!
またイーサリアムでは第三者を必要とせず個人間同士の取引が簡単にできるようになりますが、その中でもスマートコントラクトというサービスが注目されています。
イーサリアムでは「スマートコントラクト」で第三者を介さない自動契約が可能に
コントラクトは日本語にすると「契約」という意味で、スマートな契約ができるのがスマートコントラクトになります。
イーサリアムでは中央で管理する第三者を必要としないアプリをつくれますので、個人間同士でスマートな契約ができるようになります。
例えばブロックチェーンに「〇〇したら●●できる」というシステムを書き込んでおくと、その条件を満たすと自動的に契約ができるようになります。
具体的な例をあげると、家を借りる時は現在仲介に不動産を挟まないと契約ができませんが、イーサリアムのブロックチェーンに「〇〇したら部屋の契約ができる」と書き込んでおくと、条件を満たせば不動産を挟まずとも自動で契約を完了する事ができるというわけです。
このように今まで第三者がいないと成り立たなかったサービスが、スマートコントラクトにより個人間同士での取引が可能となり、かつ余計な時間や手数料がかからなくなります。
イーサリアムで使用する通貨がイーサ(ETH)になる
ビットコインのようにイーサリアムという通貨があると思っている方も多いですが、イーサリアムとはあくまでプラットフォームの事です。
そしてイーサリアム上にアプリをつくったり、アプリを利用する時に使う通貨をイーサ(ETH)とよびます。
またイーサは「ガス代」とよばれる事が多く、イーサという燃料を使ってイーサリアムを動かしていく、というようなイメージです。
よくイーサリアムの価格が上がってる!なんて言うけど、本当はイーサが上がってるという表現が正しいよ!
イーサリアムとビットコインの違い
投資をしている方の中にはビットコインもイーサリアムも似たようなものだと思っている方も多いと思いますが、2つは全く違います。
まずビットコインは法定通貨の代わりとなるデジタル通貨としてつくられた通貨型仮想通貨です。
銀行のように中央に管理者を置かず、国の情勢などに左右されない独立した通貨としてつくられました。
そしてビットコインは「金」と同じく発掘量に上限があるため、希少価値あるものとして投資の対象になっています。
一方イーサリアムは通貨としてではなく、大きなプラットフォームとしてアプリケーションを構築するためにつくられたプラットフォーム型仮想通貨です。
ビットコインは通貨を目的に開発された通貨型仮想通貨で、イーサリアムはアプリケーションを構築するためにつくられたプラットフォーム型仮想通である
ビットコインを管理するためにつくられたブロックチェーンという仕組みを使っているという点ではビットコインもイーサリアムも一緒だけど、開発された意図や目的は全く違うんだよ!
イーサリアムのデメリット
革新的なプラットフォームであるイーサリアムですが、デメリットとしては下記の点があげられます。
- 利用する人が増え利用料も高くなっている
- 発行上限がないためインフレになる可能性がある
- ICOの規制がある
利用料が高い
銀行のような中央で管理している第三者がいない革新的なプラットフォームであるイーサリアムですが、デメリットとしては利用料が高い事があげられます。
イーサリアムを利用するにはガス代となるイーサ(ETH)という通貨が必要ですが、現在は利用する人がどんどん増えており、トランザクションの処理が追いつかず、利用料もかなり上がっているのが現状です。
仮に銀行での手数料が数百円だとしたらイーサリアムで送金すると約数千円かかってしまうんだよ
発行上限がないためインフレになる可能性がある
イーサリアムはビットコインのように発行上限枚数が決まっていないため、今後も枚数が増え続けると通貨の価値が落ち、インフレになってしまう可能性もあります。
そのためマイニングでの報酬を減らす対策をしており、今後上限枚数が決まる可能性もあるかもしれません。
ICOの規制がある
イーサリアムではイーサリアムというプラットフォームを利用し、新しい通貨を発行し資金調達するICOができます。
ICOが盛んになればプラットフォームとしてイーサリアムの価値は上がるはずですが、一時期ICOを利用した詐欺がたくさん起きたため、現在は世界的にICOの規制が入っているのが現状です。
今後はイーサリアム2.0にアップデートしていく
第三者を介せず、個人間同士での取引を可能にできるイーサリアムですが、先程記載したようにデメリットもあります。
特にDeFiでは通貨の個人間取引が可能なため利用する人が多くなっており、かつブロックチェーンに記録される取引量も増え続け、処理がなかなか追いつかず利用料もどんどん上がっています。
そのためより快適に、より安価に利用できるよう、イーサリアムはイーサリアム2.0に少しずつアップデートしている途中でもあります。
特にイーサリアムのブロックチェーンではビットコインのブロックチェーンと同様、PoW(プルーフオブワーク)といった仕組みで管理されています。
取引履歴の検証や承認を行う事をマイニングとよびますが、マイニングに成功すると報酬として通貨が発行されます。そしてマイニングするにはたくさんの暗号を計算して解かなければならず、高性能なコンピューターや莫大な電力が必要になる。マイニングに成功できるのは一つのブロックにつき一人までで、世界中のマイナー(マイニングに参加してる人)が報酬を目当てにマイニングに参加している。
【初心者向け】仮想通貨のマイニングとは何かを分かりやすく解説
PoW(プルーフオブワーク)ではより多くの計算をした人が経済的インセンティブ(報酬)を受け取るという仕組みですが、暗号を計算するためのコンピューターを稼働するには莫大な電力を必要とします。
マイニングもどんどん競争が激化しており、電力の消費もそれに伴い上がっているため、イーサリアムではPoW(プルーフオブワーク)という仕組みからPoS(プルーフオブステーク)といった仕組みに今後変わっていく事になりました。
PoS(プルーフオブステーク)ではイーサリアムの保有量(ステーク)に応じて検証作業を承認する仕組みになるため、今までの計算競争がなくなり、検証作業の労力を格段に減らす事ができます。
検証作業の労力が減る事で取引の混雑も減り、かつ利用料が減っていくというイメージだよ!
さらに現在では数多くの有名企業がイーサリアムのブロックチェーンを研究し、今後もイーサリアムというプラットフォームの価値はどんどん上がるものと思われます。
まだ先ではありますが、スマートコントラクトで自動で契約するのが当たり前の時代となっているかもしれませんね。
以上、イーサリアムとはどんなものなのか解説させて頂きました。